2026.07.23

産地と、食卓のあいだに。生産者と紡ぐ信頼の物語

【第1回】「売り先ほぼゼロ」からのスタートと「平飼い」への挑戦

〜コロナ禍の創業、エッグショック、そして外資系高級ホテルからの熱視線!〜

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みなさん、こんにちは!ツマミナ編集部(仮)です。 ツマミナグループの「食」の原点を訪ねる社内インタビュー連載、第1回目の主役は、佐賀県鹿島市の豊かな自然のなかでこだわりの卵をつくっている「上田養鶏場」の上田さんです!
私たちが普段店舗でお客様に提供しているあの美味しい卵。実は、立ち上げ当初は想像を超える苦労の連続だったそうです。ブランド誕生の知られざる舞台裏から、「平飼い」の秘密まで、上田さんにたっぷり語っていただきました!

コロナ直撃!「販売先がどこにもない…」からの開幕

―― 今日はよろしくお願いします!まずは上田養鶏場がどうやって始まったのか、原点のお話から教えてください。

上田さん(以下、上田): よろしくお願いします!もともとここは、糸島で有名な「つまんでごらん」さんのフランチャイズとして、前の会社が運営していた場所だったんですよ。それを今の社長が「ぜひここを引き継いでやりたい!」とおっしゃったのがすべての始まりですね。当時から現場で働いていた私と外山さんも、そのまま今の会社に転職して一緒にスタートすることになりました。

―― そうだったんですね!ブランド名も新しくされたんですよね?

上田: はい!「せっかく自分たちで新しくやるなら、オリジナルの新ブランドを立ち上げよう」ということで、2020年に『うみとやまとこっこ』というブランドをスタートしました。ただ……その2020年っていうのが、ちょうど新型コロナウイルスが流行し始めたタイミングだったんです。

―― ああ……まさにコロナ禍真っ只中のスタートだったんですね。

上田: そうなんですよ!もう「何も売れない」という絶望的な状況からのスタートでした(笑)。鶏たちにはコロナなんて全く関係ないから毎日どんどん卵を産むんですけど、肝心の飲食店さんが営業休止になってしまって動かない。じゃあ家庭用はどうかというと、ご家庭で消費できる卵の量なんて限られてますよね。だから本当に「売り先がない!」という状態が続いて、最初はめちゃくちゃ焦りましたし、苦労しましたね。

転機は3年前。「エッグショック」と「ふるさと納税」の爆発

―― そんな厳しいスタートから、どうやって今の規模まで成長していったんですか?

上田: 大きな転機になったのは、今から3年ほど前(2023年頃)の出来事ですね。覚えている方も多いと思うんですけど、全国的に鳥インフルエンザがものすごく猛威を振るって、殺処分などで市場から卵が一気に消えた「エッグショック」の時期がありましたよね。

―― ありましたね!スーパーの棚から卵が消えて大騒ぎになりました。

上田: そうなんです。あの時、近隣地域でも発生してうちも一時的に出荷制限がかかるなどヒヤヒヤしたんですが、なんとか無事に乗り切ることができたんです。そうしたら全国的な卵不足の影響で、うちの「ふるさと納税」に注文が怒涛のように殺到しまして……!そこから火がついたように一気に口コミや認知度が広がって、全国から注文が入るようになりました。

―― 災い転じて福となす、じゃないですが、ピンチがきっかけで一気に認知されたんですね!

上田: 本当にそうですね。最初は大家さんから引き継いだ4棟・約2,400羽からスタートしたんですが、そこから少しずつ鶏舎を増やしていきました。一番新しく作った棟は少し広く作ってあって800羽くらい入るので、今は5棟で合計3,200羽ほどの鶏を飼育できるまでに拡大しました!

日本でわずか1〜2%!「平飼い」が外資系高級ホテルに刺さる理由

―― 上田養鶏場といえば、鶏をケージに入れずに育てる「平飼い(ひらがい)」が大きな特徴ですよね。やっぱり全国的にも珍しいんですか?

上田: 実は、日本国内で「平飼い」を採用している養鶏場って、全体の1〜2%くらいしかないんですよ。

―― ええっ!たったの1〜2%ですか!?

上田: そうなんです。みなさんがイメージする一般的な養鶏場って、狭いケージに鶏をぎゅうぎゅうに詰めて、機械のベルトコンベアで卵をポンポン回収するようなスタイルが多いじゃないですか。効率を追求するとどうしてもそうなってしまうんです。でも、うちは鶏たちが地面を自由に走り回って、運動場で太陽の光をたっぷり浴びられる「平飼い」にこだわっています。

―― なぜ今、その「平飼い」がそこまで注目されているんでしょう?

上田: 今、世界中で「アニマルウェルフェア(動物福祉)」という、動物にストレスを与えない飼育方法を重視する考え方が当たり前になってきているんです。特に海外資本の高級ホテル――例えばリッツ・カールトンさんや、この前問い合わせがあったヒルトンさんなどは、使う卵を全部「平飼い卵」にシフトしている最中なんですよ。

―― なるほど!SDGsや海外の基準にピッタリ合致しているわけですね。

上田: まさにそうです!国内には平飼い卵の供給量が数パーセントしかないので、どこも「平飼い卵が手に入らない!」と探していらっしゃって。うちにも問い合わせがちらほら来ている状況です。時代が私たちのこだわりに追いついてきた感じがして、すごく手応えを感じていますね!

(次回【第2回】は、上田養鶏場の一日に密着!「美味しい卵をつくる環境と、過酷すぎる現場作業の裏側」に迫ります。お楽しみに!)

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