〜命を繋ぐ6次化バトンと、地域を豊かにする循環の仕組み〜
【第3回】命を無駄にしない。グループ連携と「地域循環」の未来
みなさん、こんにちは!ツマミナ編集部(仮)です。 上田養鶏場インタビュー連載もついに最終回!今回は、上田養鶏場とグループ店舗との関わり、そして創業時からずっと大切にしている「地域資源の循環」という素敵な取り組みについてお届けします。
グループ店を支える「平飼い卵」と「一番美味しい食べ方」
―― 上田養鶏場の卵や鶏肉は、グループ内でも色んなお店で使われていますよね。
上田: はい!一度グループの「有限会社ジーフーズ」のセントラルキッチンに集められてから、各店舗へ配送されています。卵でいうと「魚蔵」「一承」「藤う那」「参星」さんといった、グループの中でも高級業態やこだわりが強い店舗を中心に下ろしています。
―― 料理人の方々からの評判はいかがですか?
上田: 「やっぱり他の卵とは全然違うね!」とお褒めの言葉をよくいただきます。黄身のぷるんとした弾力や、味の濃さが際立っているみたいで、茶碗蒸しや出汁巻き卵など、卵そのものの味がストレートに出る料理で重宝してもらっていますね。市内にあるすき焼き専門店さんでも、うちの卵を気に入って大量に使っていただいています!
―― 養鶏のプロである上田さんが教える「一番美味しい卵の食べ方」って何ですか?
上田: うーん、色んな料理がありますけど……やっぱり「あ、うまぁ〜!」って一番感動するのは、シンプルな「卵かけご飯」ですね!これが間違いなく一番美味しいです(笑)。あとは、ちょっと火を通した半熟の温泉卵も大好きですね。
命を余すことなくいただく。親鶏(廃鶏)もグループの味へ
―― 実は、卵だけでなく「鶏肉」もグループ店舗に出荷されているんですよね?
上田: そうなんです。卵を産まなくなったメスの鶏たちのことを専門用語で「廃鶏(はいけい)」と呼ぶんですが、うちはその子たちも決して無駄にはしません。自分たちで捕まえて那珂川の施設へ運んで丁寧に締め、セントラルキッチンで加工してお肉として出荷しています。
―― 命を最後まで大切にいただく、素晴らしい取り組みですね。
上田: 一般的な親鶏のお肉って、どうしても身が引き締まっていて硬くて食べにくいと言われるんです。でも、セントラルキッチンでスープの出汁にしたり、柔らかく美味しく食べられるように絶妙な加工処理をしてくれるんですよ。それが「とりとりと」さんや「山尾」さんといった店舗で美味しい料理としてお客様に届いています。1次産業(養鶏)から2次産業(加工)、3次産業(飲食店)まで繋がる、まさにグループの「6次化」の理想的な形ですね!
匂わない秘密はこれ!創業時から続く「地域循環」の仕組み
―― ホームページを拝見していて感動したのが、近隣の農家さんとの「資源循環」の取り組みです。これはいつから始まったんですか?
上田: 実はこれ、何か狙って始めたわけじゃなくて、立ち上げた最初期からごく自然にやってきたことなんです。
―― どういった仕組みなんですか?
上田: まず、地元の農家さんから余った「もみ殻(お米の殻)」を譲っていただきます。そのもみ殻を鶏舎の床一面に敷き詰めるんです。そうすると、鶏のフンと床の湿気、そして微生物の力でフンが自然と「発酵」し始めるんですよ。
―― ええっ、フンが発酵するんですか?
上田: そうなんです!発酵すると微生物がニオイの元を分解してくれるので、うちの養鶏場って全然イヤな臭いがしないんです。むしろ、ちょっと香ばしい良い匂いがするくらい(笑)。冬場なんて、フンの発酵熱で床からホカホカと湯気が立ち上るんですよ!
―― 養鶏場特有のニオイがない秘密は、微生物と発酵の力だったんですね!
上田: そして、その発酵して栄養満点になった高品質な鶏糞を、今度は「最高の有機肥料」として地元の農家さんにお返しするんです。地域でもみ殻をもらい、鶏糞を肥料として返し、また美味しい作物を作ってもらう。まさに地域の中で資源がグルグル巡る循環ができているんです。
これからの挑戦と未来への想い
―― 最後に、今後の上田養鶏場の展望や夢について教えてください!
上田: やりたいことは山ほどあります!新しくグループに加わった「対馬地どり」の事業をもっと広げていくこともそうですし、親鶏のお肉を使った新しいオリジナルブランドの立ち上げも構想中です。
設備面でも、夏場の暑さで鶏たちがバテてしまわないように空調環境を整えてあげたいですし、課題はまだまだあります。でも、鶏たちにストレスを与えない環境で、安心・安全で一番美味しい卵を皆様にお届けできるよう、これからも現場で汗を流してがんばっていきます!
―― 上田さん、熱いお話を本当にありがとうございました!
(全3回連載・おわり)